引用:https://www.cinematoday.jp/
2001年に公開されたスタジオジブリの映画『千と千尋の神隠し』。
アカデミー長編アニメ映画賞を受賞するなど、日本だけでなく海外でも人気の高い作品です。
ストーリーの奥深さだけでなく、独特の世界観や名セリフの数々も、『千と千尋の神隠し』が愛され続けている理由。
名作『千と千尋の神隠し』には、さまざまな都市伝説や裏設定が噂されているのをご存知ですか?
今回の記事では、
- 『千と千尋の神隠し』都市伝説や裏設定15選!
- ハクのその後や母親が冷たい理由は?
これらについて気になったのでご紹介します。
一緒に見ていきましょう♪
『千と千尋の神隠し』都市伝説や裏設定15選!
映画『千と千尋の神隠し』に関する都市伝説や裏設定15選をまとめてみました。
- 千尋ではなく「千晶」だった
- 当初の主人公はリンだった
- 湯婆婆と銭婆は悪役だった
- 油屋はお風呂屋ではない
- 湯屋の世界は死後の世界
- 電車の乗客が黒い理由
- ハクのその後は八つ裂き
- 母親が冷たい理由
- ハクの正体は兄だった
- トンネルで振り向いてはいけない理由
- 両親が豚になった理由
- カオナシの正体は人間の心に潜む悪魔
- 『もののけ姫』との意外な繋がり
- 『火垂るの墓』の節子が登場
- 幻のエンディングが存在した
人気キャラクター・ハクのその後から、千尋の母親が冷たい理由まで。
ファンの間で話題の都市伝説や裏設定を詳しくみていきましょう!
千尋ではなく「千晶」だった
『千と千尋の神隠し』は『千と千晶の神隠し』になる予定だったという都市伝説があります。
もともと本作は、宮崎駿(みやざき はやお)監督が友人の娘のために作ったものだそうです。
友人というのは、映画プロデューサー・奥田誠治(おくだ せいじ)さんのことであり、その娘が千晶(ちあき)ちゃんという名前なのだとか。
なお、この都市伝説には諸説あり、『紅の豚』のモデルとなった佐伯さんの娘・ちさとちゃんが千尋のモデルだという説もあります。
『千と千尋の神隠し』の劇中に、千尋が川に靴を流してしまうシーンがありますよね?
このシーンは、宮崎駿監督が佐伯さん一家とキャンプに行った際、ちさとちゃんが川に靴を流してしまった姿から着想を得たと言われているのです。
真相は定かではありませんが、いずれにしても名前に「千」の文字が入った実在の女の子をモデルに千尋というキャラクターを作った可能性はあります。
当初の主人公はリンだった
『千と千尋の神隠し』の当初の主人公はリンの予定だったという都市伝説があります。
千尋の面倒を見てくれる男勝りで情に熱いキャラクター・リン。
実は当初、童話『霧のむこうのふしぎな町』を原案とした『煙突描きのリン』という作品を制作予定だったそうです。
『霧のむこうのふしぎな町』は『千と千尋の神隠し』の原案でもあり、この童話の主人公が大阪から東京にやってきた20歳のリンという女性。
しかし『煙突描きのリン』はプロデューサーの猛反対によって却下になってしまったそう。
その後『千と千尋の神隠し』が制作され、宮崎駿監督はリンというキャラクターを設定を変えて登場させたのです。
なお、『千と千尋の神隠し』の初期設定には「リン(白狐)」というメモ書きが残されており、リンは白狐の化身だったという裏設定もあるようでした。
湯婆婆と銭婆は悪役だった
強引な性格の湯婆婆と、その姉であり穏やかな性格の銭婆。
実は湯婆婆と銭婆はもともと悪役として登場する予定で、千尋が2人を倒すというストーリーだったという都市伝説があります。
公開された内容とは違い、当初の『千と千尋の神隠し』はアクション寄りのストーリー構成だったようです。
さらに千尋が戦うシーンを加えると、映画全体が3時間超えになってしまうという問題も発生。
そのため湯婆婆と銭婆のキャラクター設定を変更し、代わりにカオナシを登場させて物語を変更したと言われています。
カオナシは尺の都合のために生み出されたキャラクターという裏設定もあるようですね。
油屋はお風呂屋ではない
千尋が働くことになる油屋はお風呂屋ではなく、裏設定として風俗(遊郭)をモデルとしています。
油屋の裏設定については、宮崎駿監督も「いまの世界として描くのにいちばんふさわしいのは風俗営業」だと答えています。
『千と千尋の神隠し』に登場する湯女(ゆな)は、江戸時代にも存在した遊女(売春婦)をモデルとしているのです。
他にも、油屋の装飾の特徴である赤ちょうちんは江戸時代の遊郭を参考にしていると言われています。
千尋が湯婆婆に名前を取られて千になるのも、売春婦として働く際に源氏名を使うならわしを参考にしているという説も。
宮崎駿監督は「現代日本はすべて風俗産業みたいな社会」だとも語っており、『千と千尋の神隠し』の中で現代社会を揶揄していたのですね。
湯屋の世界は死後の世界
『千と千尋の神隠し』で千尋が迷い込む湯屋の世界は、死後の世界を表しているという都市伝説があります。
映画の冒頭で千尋の一家は車で山道を走っており、この時に千尋たちは事故に遭って生死の間をさまよっていたという説があるのです。
千尋はトンネルを抜けて湯屋の世界に迷い込みますが、トンネルの先にある川が三途の川を指していて千尋は臨死体験をしているのでは?と言われています。
さらに映画の後半で千尋がハクと一緒に自分の名前を思い出すシーンでは、ツバキとアジサイが咲いています。
冬と梅雨という異なる季節に咲く花が同時に咲いているため、千尋のいる湯屋の世界は極楽浄土だとする意見も。
最終的に千尋は湯屋の世界を抜け出しますが、臨死体験を表す際にありがちな「病室で目が覚める」などの描写がありませんでしたよね。
このことから、千尋は冒頭で亡くなったまま湯屋の世界(死後の世界)を抜け出せずにいる、という怖い都市伝説まであるようです。
電車の乗客が黒い理由
千尋がカオナシとともに銭婆のもとに向かう際に乗った「海原電車」。
海原電車の向かう先は「あの世」であり、乗客が黒い理由は死者だから怖い都市伝説があります。
海原電車のシーンでまず気になるのは、片道切符だということ。
釜爺は千尋に切符を渡す際に、「昔は戻りの電車があったのに近頃は行きっぱなし」だと言っていましたね。
このセリフは、「昔はお盆で先祖の魂を歓迎していたのに近頃は風習も薄れた」という意味だとする意見があります。
つまり、海原電車はあの世行きの電車だということになりますよね。
そして海原電車の乗客は黒い影のような姿をしていますが、あの世行きの電車なのであれば乗客は死者であるという都市伝説もうなずけます。
ハクのその後は八つ裂き
ジブリ映画の中でも人気キャラクターのハクですが、千尋と別れたその後は湯婆婆との約束通り八つ裂きにされたという都市伝説があります。
宮崎駿監督によると、千尋とハクの別れは「永遠の別れ」を表しているそう。
物語の終盤でハクは、千尋を助ける代わりに自分が八つ裂きになると湯婆婆に約束していましたよね。
ハクはこの約束を守り八つ裂きになりますが、肉体が消えても川の神として千尋を見守り続けていたと言われています。
また、現世に戻った千尋の髪留めがきらりと光るのは、ハクが八つ裂きになった際に流した涙だという説もありました。
しかし八つ裂きはあくまで都市伝説であり、自分の名前を思い出したハクは千尋と同様に自由になったと考える意見も多いようです。
母親が冷たい理由
千尋の母親は終始千尋に対して冷たい態度を取り、事故中心的なところが気になりますよね?
母親が千尋に冷たい理由は、千尋のせいで兄が亡くなったと考えているからだという都市伝説があります。
千尋にはかつて兄がいましたが、川で溺れた千尋を助けようとして命を落としてしまいました。
事故だったとはいえ、母親は兄が亡くなったのは千尋のせいだと責める気持ちを捨てられていないとされています。
ただ、千尋に兄がいたというのはあくまで都市伝説であり、事実ではありません。
母親が冷たい理由は、自分勝手に育ったバブル世代の大人への皮肉という裏設定の方が有力だと考えられます。
与えられることに慣れてしまったバブル世代の大人たちは、誰かに与えることが不得意だと揶揄されることも。
この皮肉をもとに、宮崎駿監督は現代の親子像を描いたとされています。
ハクの正体は兄だった
引用:https://www.huffingtonpost.jp/
ハクの正体は川で溺れた千尋を助けた兄だったという都市伝説があります。
前述のとおり、千尋に兄がいたという裏設定があるとの噂がファンの間で広まり、ハクの正体は兄だという都市伝説が生まれました。
そもそもハクは千尋のことを知っていて、いつも優しく手助けしてくれる存在でしたよね。
湯婆婆に名前を奪われて本当の自分を忘れてしまったにも関わらず、なぜか千尋の名前は覚えていたのです。
そんなハクの正体は川の神「ニギハヤミコハクヌシ」であり、川に落ちた幼い千尋を救ったのもハクでした。
千尋の兄は妹を救ったことによって命を落としましたが、ハク(ニギハヤミコハクヌシ)となって再び千尋の前に現れたと考えられているようです。
ハクが千尋を気にかけるのは兄としての記憶があるからであり、2人の関係は恋愛ではなく兄妹愛だとする意見もあるようでした。
トンネルで振り向いてはいけない理由
物語の終盤で、千尋がハクと別れ、両親とともにトンネルを抜けるシーンがありますよね。
ハクが千尋に「決して振り返ってはいけないよ」と言った理由は、地蔵になってしまうからだという都市伝説があります。
千尋はトンネルを抜ける途中で振り向きそうになっていました。
しかし千尋の髪留めがきらりと光り、振り向かずに済みましたよね。
髪留めが光った理由は前述のハクの涙説以外にも、ハクが千尋を振り向かせないように魔法をかけたからだという説もあります。
もしトンネルで振り向いてしまうと、トンネルの前にあったような地蔵に姿を変えられてしまっていたと考えられているようです。
ダルマのような形をした地蔵は、異なる世界を繋ぐ門番の役目があるとか。
トンネルで振り返って地蔵になってしまうと、未来永劫その場から動けなくなってしまうと言われています。
最後までハクが千尋を守ってくれていたのかもしれないと思うと感動的ですよね。
両親が豚になった理由
千尋の両親が豚になった理由は、神様の食べ物を勝手に食べた罰であり、バブル時代への皮肉だという都市伝説があります。
千尋たちが迷い込んだのは、古今東西の神が住む世界。
そこで両親は食べ物を「豚のように」食い散らかし、湯婆婆は「お客様の食べ物を食い散らかした」と言って怒っていました。
つまり両親が食べてしまったのは神様へのお供物だったのでしょう。
豚は欲求を象徴する動物であり、神様へのお供物を食べた両親は欲望を抑えきれない醜い存在として豚に変えらえてしまったと言われています。
また、欲求を抑えられないのはバブル時代への皮肉だという説も。
千尋の両親はバブル時代に生まれ育って大人になった世代だと考えられ、苦労をせずに資産や食べ物を手に入れてきた世代でもあります。
与えられることに抵抗もなく欲求をあらわにする両親の姿は、バブル時代の醜い一面を比喩したものなのかもしれません。
カオナシの正体は人間の心に潜む悪魔
『千と千尋の神隠し』の中でも謎多き存在のカオナシですが、その正体は人間の心に潜む悪魔(サタン)だという都市伝説があります。
海原電車のワンシーンで、ガラスの向こうに「サタン」という文字が一瞬流れるのをご存知ですか?
一見物語と関係のない「サタン」という単語は、カオナシの正体を表すために入れられたとされているのです。
宮崎駿監督は、「カオナシは誰の心にも存在する」と語っていました。
つまりカオナシは、人間の心に潜んでいる悪魔的な一面、劣等感や欲望など、を体現したキャラクターという裏設定があるのではないでしょうか?
宮崎駿監督はカオナシについて、「思い通りにならないとすぐ暴力に走る」「砂金を振り撒いて人を操ろうとする」「中身がなくて自分の言葉で喋れない」といった特徴を挙げています。
現代人が抱えがちな心の悪魔をカオナシの中に詰め込んだのかもしれませんね。
『もののけ姫』との意外な繋がり
引用:https://www.cinematoday.jp/
『千と千尋の神隠し』は『もののけ姫』と繋がりがあり、千尋とハクそれぞれの血筋がサンとアシタカだという都市伝説があります。
『千と千尋の神隠し』の公式設定資料集の中で、千尋の先祖がサンであることが明記されているようです。
さらに、ハクのモデルとなった日本神話の神「ニギハヤヒ」は、アシタカのモデルである「アシタカヒコ」の先祖。
サンとアシタカそれぞれの血筋を持つ千尋とハクが時を超えて再会したと考えるとなんだかロマンチックな裏設定ですよね。
『火垂るの墓』の節子が登場
引用:https://ghibli-animetoshidensetu.net/
海原電鉄のシーンで駅のホームに立っている黒い少女は、『火垂るの墓』の節子だという都市伝説があります。
節子は『火垂るの墓』の物語の中で兄・清太を残して亡くなりますが、『千と千尋の神隠し』に登場する駅のホームで兄を待っているとされているのです。
たしかにおかっぱ頭のシルエットは節子のようにも見えます。
海原電鉄はあの世行きという都市伝説もあったので、節子だという説が生まれるのもうなずけますよね。
幻のエンディングが存在した
『千と千尋の神隠し』には幻のエンディングが存在しており、絵コンテまで完成していたという都市伝説があります。
幻のエンディングとは、新居に到着した千尋が小川を発見し、小川のせせらぎを眺めながら何かを思い出したかのようなハッとした表情になるというもの。
そしてその小川とはハクの新しい住処だったという内容です。
湯屋の世界での出来事を忘れてしまった千尋がハクのことを思い出したと示唆するシーンでもあったとされています。
しかし残念ながら、幻のエンディングはジブリ公式が否定しており、上映されたという事実はありませんでした。
幻のエンディングの絵コンテは存在していたようで、作品の資料集に載せられていたという情報も。
上映はされなかったものの、構想まではされていた可能性が高いです。
『千と千尋の神隠し』都市伝説や裏設定15選!ハクのその後や母親が冷たい理由は?まとめ
公開から20年以上が経った今もなお、人々に愛され続けている映画『千と千尋の神隠し』。
『千と千尋の神隠し』都市伝説や裏設定15選!
ハクのその後や母親が冷たい理由は?
についてのまとめです。
- 『千と千尋の神隠し』は『千と千晶の神隠し』になる予定だった?
- 当初の主人公はリンの予定だった?
- 湯婆婆と銭婆はもともと悪役として登場する予定で、千尋が2人を倒すというストーリーだった?
- 千尋が働くことになる油屋はお風呂屋ではなく、裏設定として風俗(遊郭)をモデルとしている
- 千尋が迷い込む湯屋の世界は死後の世界を表している?
- 海原電車の向かう先は「あの世」であり、乗客が黒い理由は死者だから?
- ハクは千尋と別れたその後、湯婆婆との約束通り八つ裂きにされた?
- 母親が千尋に冷たい理由は千尋のせいで兄が亡くなったと考えているからとされているが、自分勝手に育ったバブル世代の大人への皮肉という裏設定の方が有力
- ハクの正体は川で溺れた千尋を助けた兄だった?
- ハクが千尋に「決して振り返ってはいけないよ」と言った理由は、地蔵になってしまうから?
- 謎多き存在のカオナシの正体は人間の心に潜む悪魔(サタン)?
- 『千と千尋の神隠し』は『もののけ姫』と繋がりがあり、千尋とハクそれぞれの血筋がサンとアシタカ
- 海原電鉄のシーンで駅のホームに立っている黒い少女は『火垂るの墓』の節子?
- 『千と千尋の神隠し』には幻のエンディングが存在しており、絵コンテまで完成していた?
『千と千尋の神隠し』は人気作品なだけに、さまざまな都市伝説や裏設定が考察されているようです。
紹介した内容を知った上で『千と千尋の神隠し』を観れば、違った角度から作品を楽しめるかもしれません。
これからも、『千と千尋の神隠し』をたくさんの人に愛される作品になるよう応援しています!
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